がんばれ花蓮!日本時代の歴史観光スポットが増えています!

花蓮 歴史観光 / 花蓮將軍府1936 / 山海百貨 / 松園別館 / 花蓮港放送局1944 / Dpark 台肥花蓮深層海水園區 】

はじめに~復興が進んだ花蓮を旅しよう

 昨年4月に発生した花蓮の大地震。花蓮の町は着実に復興していますが、最大の観光地・太魯閣の奥地に入り観光するのはまだ難しいのですが、花蓮市内の観光地はリニューアルやオープンが進んでいて、市内観光がかなり面白くなってきています。

 今回は、花蓮市内でお勧めしたいスポットをいくつか紹介しますが、どれも日本時代の建築に触れられるレトロスポットなんです。それでは、早速花蓮の街歩きに出発しましょう。(トップ写真は、「将軍府1936」)

1.全面リニューアルで一大観光スポットに成長~将軍府1936

 花蓮市内を流れる美崙溪のほとりに日本統治時代に建てられた軍人宿舎群があります。近年では老朽化が進み、どうなることかと心配していたら、長い修復期間を経て、大規模な歴史観光施設として生まれ変わりました。その名も「将軍府1936」。1936はもちろん、将軍府の宿舎群が建てられた年号を指します。

 どの建物も丁寧に修復され、その多くは飲食店や雑貨店、お土産ショップなどになっています。中には夜の営業があるバーレストランもあり、昼間の観光だけでなく、ライトアップを見ながら夜の食事やお酒を楽しむこともできます。

数々のテナントが入っています

 注目すべきなのは、花蓮県新城にある地域活性化施設「山海百貨」がテナントとして入っていること。ここは、花蓮県各地の特産物をお土産として売っているお店で、個性的な商品がリーズナブルな値段で買うことができます。本店は、花蓮県新城郷にあり、新城老街の新しい観光スポットとしても徐々に知られていますが、その2号店が花蓮市内に出店したわけです。商品のラインナップは比較的リーズナブルなものが多く、お土産にしやすいと思います。これ以外にもカフェ、カレーショップ、バー兼居酒屋、ちょっと高級なレストランなど多彩なお店がそろっていて、リピートするのも楽しいですよ。

【施設情報】

花蓮將軍府1936

住所:花蓮市中正路622巷6號
開館時間:10:00~22:30(無休)

山海百貨

営業時間:10:00~18:00(無休)

2.災害を乗り越えて蘇った歴史施設~松園別館

 昨年8月末、花蓮随一の観光スポット・松園別館が一時閉館になりました。閉館の告知が間際になったこと、新聞等によると再開の見通しが立っていないことなどで、閉館のニュースを知ったときには大変に心配していたのですが、1月10日に無事、再開されました。そこで、改めて松園別館の魅力を確かめに現地を訪れてみました。

 松園別館は、日本統治時代の1942年に花蓮港兵事部の建物として建設され、端正な美しさを持つ洋館でした。ここは、戦況が悪化して特攻隊が出撃する時代になると、敷地内の「小木屋」と呼ばれる建物で、特攻隊員が最後のお神酒を賜った場所とされています。戦後は米軍の施設に使われたこともありましたが、今では花蓮屈指の観光地として知られるようになりました。

蘇った松園別館

 松園別館は、2002年に歴史建築に指定されていらい、歴史観光地として整備されてきましたが、実は昨年の台風で、松の木が何本も倒れるなどの大きな被害を受け、昨年9月から長期休業していました。休業当時は、再開の見通しが立っていないといううわさも流れていて、先行きが心配されましたが、今年1月10日に無事に営業を再開しました。

 私は実際に再開後の松園別館を見に行ったのですが、カフェコーナーが衣替えをした点以外は、大きな改変もなく、以前と同じような美しい建物と風景のコントラストを楽しめるようになっていました。松の木もきれいに整備され、安心して観光できるようになっています。

【施設情報】

松園別館

住所:花蓮市松園街65號
開館時間:9:00~18:00(無休)

3.松園別館の裏手に新しい歴史スポット誕生!~花蓮港放送局1944

 さて、松園別館のちょうど裏手にあたる場所に、昨年11月、新たな観光スポットが誕生しました。それが「花蓮港放送局1944」です。こちらの施設は、施設名が語る通り、日本統治時代の1944年に台湾東部のラジオ放送の拠点として開設されたものです。戦後国民政府の時代になっても長らくラジオ放送局としての機能を果たしてきましたが、2017年に放送局が移転したことに伴い、この施設を歴史観光施設として整備することになりました。それが昨年末にようやく完成し、一般公開されるに至ったわけです。

放送局の雰囲気が良く感じられる施設、そしてカフェも

 館内は、放送局の歴史が学べると同時に、放送局の雰囲気を感じられる展示やインテリアが充実しています。オープンリールデッキをはじめとする放送局ならではの懐かしい機器も展示されていて、放送に詳しくない方でも楽しめるようになっています。

 さらに奥のスペースでは、カフェもオープンしました。このカフェは手沖咖啡や選りすぐりのスイーツなどが楽しめるのですが、とにかく店内の空間がゆったりしていて開放的。家族連れのお客さんが多かったのですが、お父さん、お母さんも、子供たちもゆったりした気分でときを過ごしていました。カフェの横では、小さなお土産コーナーもあったので、そちらを覗くのも楽しいですよ。

【施設情報】

花蓮港放送局1944

住所:花蓮市松園街96號
開館時間:10:00~17:00(月曜・火曜定休)

4.港湾エリアにぽつんと存在する日本家屋群

 今回の花蓮旅行で初めて訪れたのが、台肥の海洋園區です。ここは日本統治時代に創建された日本鋁業株式会社(戦前のアルミニウムの会社)があったところで、戦後は台湾最大の肥料会社「台肥」として生まれ変わり、1990年代まで稼働していました。肥料生産の業績が悪化してから、海洋深層水を使った製品を多数販売するようになり、その縁もあって「Dpark 花蓮深層海水園区」として再整備され、その際、日本統治時代の建物などが保存されました。

工場の中に神社の鳥居が!さらに大きな防空洞も!

 港湾地区に隣接して、人里離れたエリアにある花蓮深層海水園区。日本時代の建物だけでなく、なんと神社までありました!朱塗りではないものの鳥居があり、その奥には小さいながらもちゃんとした本殿がありました。さらに日本建築の間には少し大きめの防空洞もありました。戦前のアルミニウム産業は軍需産業との結びつきが強く、こちらの工場は米軍の空襲のターゲットにされていたのだそうです。日本人があまり訪れない場所ではありますが、日本とのさまざまなかかわりを感じさせるスポットですね。

【施設情報】

Dpark 台肥花蓮深層海水園區

住所:花蓮市華東15號
開館時間:9:00~17:00(無休)

さいごに

 いかがでしたか。花蓮市内の観光もかなり面白くなってきたように思います。太魯閣以外は復興も進み、安心して市内観光もできるようになった花蓮。今回紹介したスポットは、すべえて花蓮の310番バスで行くことができます。この310番バスはもともと、花蓮駅と太魯閣溪谷の奥地・天祥を結ぶ観光路線だったのですが、太魯閣溪谷の観光が当分の間難しいため、花蓮駅と太魯閣渓谷の手前・新城の間を結ぶ形に変更されました。その結果、花蓮市内の不便だったエリアにもバスが停まるようになり、どの名所にもバスで行けるようになったわけです。少なくとも数年は、現在の路線形態で運行されると思うので、その間に310番のバスを使った街歩きを楽しむのもおすすめですよ。(最後の写真は、「花蓮港放送局1944」内のカフェ)

 

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