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タロコ渓谷だけじゃない!日本時代の面影を感じられる花蓮市内の街歩きに行こう!

秋朝咖啡館

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はじめに~花蓮市内には日本統治時代の建物がまだまだ残っている

皆さんは、花蓮へ行ったことがありますか?切り立った断崖が続く太魯閣(タロコ)渓谷は比較的有名ですが、市内の観光地は案外知られていません。実は、自然だけでなく日本統治時代以来の歴史を感じさせる素敵なスポットがたくさんあります。今回は、日本統治時代の面影を残す見どころをいくつか紹介しましょう。

花蓮は交通アクセスが全般的に不便です。一般的にはタクシーチャーターやレンタサイクル・レンタルバイクが便利とされていますが、今回は、市内中心部から徒歩で行ける見どころをピックアップしたいと思います。

なお、本文中に登場する「東大門夜市」は、台湾でも有数の規模を誇る花蓮の人気夜市。旧市街に位置して、花蓮駅発のバスの多くが通る場所なので、ここを起点に街歩きの計画を立てると比較的簡単です。(タイトル写真は秋朝咖啡館の外観、下の写真は松園別館の外観です)

1.日本時代の美しい建物を見ながら平和に思いを寄せる~松園別館

花蓮にある日本統治時代の建物でもっとも有名なのは、「松園別館」でしょう。1942年に花蓮港陸軍兵事部の事務所として建てられた建物は、軍の高官の休憩・宿泊所などとしても使われ、特攻隊の隊員が出生時に天皇陛下のお神酒を賜った場所ともいわれています。

松園別館は戦後、米軍のレクリエーションセンターなどとして使われた後、2002年に県の歴史建築に指定されました。今は、一般公開されるだけでなく、文化イベントの会場に使われることもあるようです。事務所本体は、派手な装飾が少ない洋風建築ですが、裏手にある武道場は日本の一般の道場と同じような日本建築で、脇には防空壕もあります。建物正面は広い庭になっており、その向こうに花蓮海岸部の市街地や遥か太平洋もきれいに眺められます。美しく平和的な光景を楽しみながら、かつてこの地に赴き、命を落とした若き兵士たちにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

市街中心部から少し外れた丘の上にあるので、行きはバスに乗り、帰りは徒歩で丘から降りてくるのもよいと思います。

【施設情報】

松園別館

住所:花蓮市松園街65號
開館時間:9:00~18:00(原則無休)
アクセス:東大門夜市から徒歩25分、花蓮駅バスターミナルから1126、1129、1132、1133、1136、1141番のバスで松園別館下車

2.花蓮の開発は鉄道から始まった~花蓮鉄道文化園区

花蓮の開発の歴史は、主として日本統治時代に始まりました。西部に比べて開発が遅れた花蓮は、花蓮港の建設とそこからの鉄道の敷設から発展が始まったとされています。現在の花蓮駅は、1982年に内陸部に移転しましたが、かつての花蓮駅(日本統治時代は花蓮港駅)は現在の東大門市場のすぐ近くにあり、今ではその跡地が鉄道文化園区として保存され、かつての建物がいくつも残されています。

鉄道園区のシンボルとなる日式の洋風建築は、かつて鉄道部の花蓮港出張所として使われていたもので、園区内には往時の鉄道の様子を偲ばせる品物や展示がたくさんあります。道路を一本はさんだ敷地にも当時の鉄道関連施設が残っており、当時の歴史の息吹を感じることができます。あまり混雑しないので、街歩きの途中、ここでしばらく休むこともできます。

【施設情報】

花蓮鉄道文化園区

住所:花蓮市中山路71號
開館時間:10:00~18:00(水曜定休)
アクセス:東大門夜市から徒歩1分、花蓮駅からバス多数(東大門夜市下車)

3.花蓮一のレトロな文化活動拠点~花蓮文創産業園区

台湾では、日本統治時代に建設された酒工場・たばこ工場が近年リノベされて文創園区として生まれ変わるケースが増えています。花蓮の文創園区も同様。日本統治時代の1913年に台湾総督府専売局花蓮港支局の酒工場として建設されました。ところが、太平洋戦争時の空襲により、工場は大きな被害を受けます。終戦後1946年に多くの建物が再建され、2002年には鉄道園区と同じく、県の歴史建築に指定されました。その後整備が進み、イベントや物販などが幅広くできる文化・イベントスポットとしてリニューアルオープンしました。

花蓮地震やコロナの影響で、思うように文化・観光イベントが開けない日々が続きましたが、現在では週末を中心に数多くのイベントが再び開催されるようになりました。敷地が広く、家族連れで散歩を楽しめます。夜のライトアップも雰囲気が良いので、日中訪れても夜に訪れても楽しめると思います。

【施設情報】

花蓮文創産業園区

住所:花蓮市中華路144號
開館時間:10:00~18:00(構内の散歩は24時間可能)
アクセス:東大門夜市から徒歩10分、花蓮駅からバス路線多数

4.日本時代の診療所がおしゃれなレトロカフェに~秋朝咖啡館

花蓮は日本統治時代に大きく発展した街なので、日本時代の建物がまだまだ数多く残っています。そのような日本家屋を使ったカフェが花蓮の旧市街地区にあります。それが「秋朝咖啡館」です。ここは日本統治時代に、当地の医療に尽くした群馬県出身の羽鳥重郎医師が建てた小児科医院。現在のオーナーが、建物の素晴らしさやストーリーの深さにほれ込み、丁寧にリノベしてとても雰囲気のよいカフェとしてよみがえりました。

建物の中に入ると、そこは洋風のカフェの装いでありながら、随所に日本家屋の面影を感じ取ることができます。店内ではコーヒーや各種スイーツを楽しむことができるのですが、比較的空いていることが多く、日本時代に想像を巡らせながら、ゆっくりくつろぐことができます。花蓮に残る日本家屋のリノベカフェの中では最も美しいと思います。コロナ後に営業時間が短くなってしまったのですが、タイミングがあったらぜひ訪れてみてください。コロナ状況が改善されたら、徐々に営業日・営業時間も増えると思われるので、実際に旅行に来る際は、改めて確認することをお勧めします。

【施設情報】

秋朝咖啡館

住所:花蓮市花崗街5號
営業時間:14:00~18:30(水曜木曜金曜のみ)
アクセス:東大門夜市から徒歩3分

5.日本時代の宿舎跡で客家文化を紹介~花蓮市好客文化會館

花蓮には、あまり有名ではない日本家屋の隠れた遺構があります。それがこちらの好客文化会館です。こちらはもとは1936年に建てられた裁判所職員の宿舎だったもの。この建物を、戦後増加した花蓮の客家人の暮らしや歴史を紹介する資料館としてよみがえらせました。

敷地内には2棟続きの長屋が2軒あり、花蓮に移り住んできた客家人の暮らしぶりや文化などをいろいろな角度から紹介しています。勤勉で質素な暮らしぶりの客家の人たちの気質に、戦前の日本家屋は意外なくらいマッチしており、見ごたえがあります。

【施設情報】

花蓮市好客文化會館

住所:花蓮市復興街98巷1號
開館時間:8:00~17:30(無休、土日は10:00~17:00)
アクセス:東大門夜市から徒歩15分・花蓮駅からバスの場合は大同市場で下車(ほとんどのバス路線が通ります)

6.日本時代の建物を使った雰囲気のよいカフェ・レストラン~森山舎

日本家屋の中でゆっくり食事をしたいなら、こちらのお店がおススメです。森山舎は、日本統治時代に建てられた林務局の宿舎をリノベしたもの。当時の雰囲気を良く残しており、とても居心地がよいお店になっています。ドリンクや食事のメニューも豊富。地元の食材を積極的に取り入れた料理が多く、何度来ても飽きないようになっています。カウンター席もあるので、グループでも一人でもゆっくりと雰囲気を楽しめます。

お店も素敵ですが、店の裏手に広がる芝生の庭がまた素敵。台湾の市街地は概して住宅が密集しており、広々した空間は少ないのですが、ここの裏庭は市街地にいるのを忘れてしまいそうな落ち着きが感じられます。お客さんの少ない時間帯に来たら、森や高原の中に出もいるような気分になれますよ。

アクセスが少し不便なので、行きは駅からタクシーを使用し、帰りは花蓮文創園区まで15分程歩いていくのが一番能率的です。

【店舗情報】

森山舎

住所:花蓮市林政街10號
開館時間:10:00~18:00(土日は9:00~、木曜定休)
アクセス:東大門夜市から徒歩25分、最寄りのバス停から徒歩5分くらいですが本数は少ないです

さいごに

いかがでしたか?街のあちこちに、日本時代の面影が残っていることがお分かりいただけると思います。花蓮を訪れる際は、ぜひ市街中心部にあるこれらの遺構にも足を運んで下さい。(写真は、森山舎の外観)

 

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