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【日台友好】日台交流で独自の観光ストーリーは生み出せるか〜台湾の魅力再発見!

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新しい日台交流のかたちを求めて

台湾通は、誰でも、台湾の観光穴場お店グルメカルチャーなどの投稿を公開することができます。台湾人が投稿してくれた記事は日本語に翻訳され、日本人が投稿した記事は中国語に翻訳されます。台湾通が新しい日台交流のプラットフォームとなり、皆さんの旅行記と、台湾・日本それぞれでよく読まれている記事ランキングなどを通じて、台湾の新しいストーリーが生まれたらいいなあと考えています。

外国人から見た日本の魅力の再発見

訪日外国人観光客を増やすためのインバウンド戦略を日本政府が本格的に始めたのは2003年。その後、右肩上がりで日本を訪問する訪日外国人が増えていきましたが、その頃、特にリピーターとして日本訪問をしてくれていたのが、台湾、香港、タイなどの人たちでした。これらの人たちが自分のブログで紹介したことによって、国内ではあまり注目さえていなかった観光地やお店に外国人が殺到したというニュースなどを当時よく目にしたものです。

観光庁の定期的なインバウンド分析レポートなどによると、台湾、香港、タイなどの人たちは、ガイドブックよりも家族・知人のおすすすめ、あるいは同郷人の書いたブログなどの情報をより信頼して参考にしているということでした。おそらくそうしたクチコミ効果で、特定のスポットが短期的によく知られ、多くの訪日外国人を引き寄せたということがあったのだと思います。

私が日本のインバウンド戦略というものを意識したのは2012年頃のことだったと思います。テレビ番組でも「日本が好きな外国人」みたいな番組が次々と生まれましたが、視聴者側(日本人)が「やっぱり日本っていいよね」という自己満足に浸るかのような番組構成が中心で、それが今に至るまで続いています。

台湾で放送している『2分之一強』(←YouTube)なども、じゃっかんこれらに近いニュアンスがあります。出演している日本人の夢多さんも好きですし、バラエティ番組として観る分にはもちろん面白いんですけどね。

外国人から見た日本の魅力の再発見のためには、以下のような本も参考になります。

A GEEK IN JAPAN

A GEEK IN JAPAN』という本は、ドラゴンボールを見て育ったオタク(geek)のスペイン人が日本のカルチャーをブログで紹介していた内容を書籍化したもの。写真が中心で、外国人から見た現代日本を見直すのに楽しい本です。

Lonely Planet Japan

Lonely Planet社の『Japan』というガイドブックは、特に欧米のトラベラーに人気のシリーズ。英語で書かれていますが、ページ数も約900ページとボリューム満載です。『地球の歩き方』のように穴場情報も豊富ですが、Lonely Planetの特徴は広告・タイアップはしないポリシー、そして写真よりもテキスト中心。さらに歴史・文化・気候・言語などの基本情報が充実していることです。欧米の旅行者は、読み物系のストーリーを重視するということかもしれません。

文化的アービトラージ戦略とは 〜 観光業のグローバルマーケティング

Arbitrage(サヤ取り)とは地理や経済などにおける地点間の「差異」に着目するもので、経済的アービトラージにおいては、たとえば商品が安いA地点で仕入れをして、その商品が高い価格で売れるB地点で販売するというような形態をとります。

では文化的アービトラージとは何なのか。たとえばA国のサービス業がB国に進出する際、B国の市場や文化に合わせたローカリゼーションをするのではなく、むしろその文化的差異/異質性を訴求していくことがあります。グローバル展開するスタバなどは、まさにこの典型と思いますが、そうはいってもどの程度まで独自性を維持して、オペレーションや人材管理上はどの程度、現地の習慣に適応していくべきか等はきわめて難しい取り組みで、現地ごとの微調整が求められます。多くの日本の飲食業が台湾に進出しながらもなかなかうまくいかない理由は、不動産賃貸料が高いということのほかにも、様々な理由が挙げられるでしょう。

観光業のグローバルマーケティングは、パーセプションのギャップに着目する必要があり、これはある種の文化的アービトラージともいえます。

集客は持続可能か 〜 そこに骨太のストーリーはあるか

クチコミによる穴場情報だけによる集客の問題は、それが持続するのか、ということです。少なくともInsta映えするというだけの理由だけで、何年も人気を維持するのは難しいでしょう。それは一過性のものです。

長年にわたって世界中の人々を引き寄せている東京や大阪、京都といった場所は、懐も深く、一つのスポットだけで成立しているわけでありません。ちょっとここに新しく出来たカフェが可愛くてInsta映えするから、話題になってたくさんの人が行列したというようなものではないのです。

重要なことは、その土地にまつわる「ストーリー(物語)」があるということ、そして滞在期間中ずっと、そのストーリーを感じ取り続けることができるような、観光体験のためのインフラや楽しみ方が充実していることだと思います。

たしかに今のSNS時代は、日々目にするInstagramやFacebook、Pinterestなどでふと見た写真の美しさが記憶に残り、そこを訪れるということがあります。でもその土地にストーリーがなければ、行っても期待外れに終わってしまう。ただ美しい1枚の写真のためだけに、その土地を訪れる旅行者はそれほど多くないはずです。特に日本人向けに「Insta映え」だけで訴求するのは、とても難しいでしょう。

土地のストーリーは、固有の歴史を再発掘することがその出発点ですが、それをどう外国人に伝えていくかという点では、文化差に着目した文化的アービトラージの視点が欠かせません。

明治時代から欧米人たちに人気があった日光と箱根、軽井沢 〜 旅行記からパーセプションギャップを認識する

最近読んだ『外国人が見た日本ー「誤解」と「再発見」の観光150年史』(内田宗治)は、とても興味深い内容でした。インバウンド戦略を考える上でとてもおすすめです。明治初期まで遡って、日本側が何を外国人に見てもらいたかったのか、一方の外国人は日本のどこに魅力を感じていたのか。そのギャップが面白いです。

外国人が見た日本

日光は明治時代から国際リゾート地として発展してきたところで、欧米人が夏の蒸し暑さを避けられる土地を避暑地としたことが始まりです。大正時代から昭和初期にかけては、中禅寺湖畔に各国大使館が別荘を建て、夏場は外務省が日光に移るといわれたそうです。ちなみに日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」の前身は明治6年の開業、明治23年には日光までの鉄道が開通しています。

欧米なかでも特に英国人が日光を気に入った理由は、英国スコットランドに似た風土だったこと、そして中禅寺湖や近くの渓流でフライフィッシングができるようになったことが大きかったそうです。

また、当時の欧米人たちの箱根の旅行記や紹介文には、箱根には「蚊がいない」ということがよく記述されていたとのこと。欧米人にとって蚊に悩まされないということがとても重要なことで、夏の静養地を選ぶ上で「蚊がいない」ということがキラーワードだったそうです。

もちろん箱根では、地元の努力も大きく、明治10年から20年にかけて外国人旅行者が増えてくると、発電所を設けて宿に電気を供給したり電灯を整備するなど、インフラ整備にも余念がありません。ちなみに老舗「富士屋ホテル」は、この頃から営業しており、自ら火力発電機を買い入れて全館に点灯しています。さらに明治時代半ばからは、箱根への鉄道建設も始まっています。

長野県の軽井沢も、外国人が避暑地として発見した場所です。明治19年に英国人が旅の途中で軽井沢に宿をとり、英国スコットランドを思わせる高原風景に魅了されたことがきっかけだそうですが、やはり「蚊がいない」ことも旅行記に記述されているとのこと!(笑)

こうして見ると、旅行者は長期滞在する場所に、自分の故郷を思わせる風土や、好みの気候を求めていることが分かります。だったら自分の国でいいじゃん!とならないところが旅行者の不思議なところでもありますが、「気候」というのが実はかなり重要な要素なんです。

一番裏切らないのは「自然」?!

トリップアドバイザーの「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」では、上位20位内に「新宿御苑」が入っています。東京の都会の中に現れる自然が魅力とのことですが、日本人が外国人にこの地をおすすめするかといえば、思いつきもしない人が多数ではないでしょうか。

もちろん、より本格的な大自然が楽しめる屋久島の白谷雲水峡や立山黒部アルペンルート、地獄谷野猿公苑なども30位内に入っていますが、新宿御苑や明治神宮といった都内で自然を感じられる場所も人気があるというのは、なるほどなあと考えさせられますね。

そうはいっても、新宿御苑だけを目的に、わざわざ外国から日本・東京に観光に来る人がいるわけではないんですね。多くの旅行客を迎える旅先としては、多種多様な魅力が揃っていることであって、楽しみ方の選択肢が多いことが重要だと指摘されています。

リピートすること 〜 台湾リピーターの誕生!

スウェーデン人Per J. Andersson氏の著作『旅の効用: 人はなぜ移動するのか』という本を最近読みました。バックパッカーとしてインドなど世界各国を渡り歩いた著者ですが、「リピーター」について面白いことを書いていました。旅人はいずれ、絶え間なく新しい場所を訪れて、旅の体験をコレクションしようなどとはしなくなるといいます。彼がギリシャ・ナクソス島を選んだ理由は、美しいビーチと砂浜、砂丘、小さなホテル、キャンプ場、そしてレストラン。リピートして同じ習慣を繰り返す。でもこれはワンパターン旅行ではなくて、実は毎回新しい発見をして体験を磨くことができる。まさにこの章のタイトルのとおり、「何度も戻る。何度も続ける」というスタイルの旅なんです。

私にとってもアジア各国の都市を巡る中で台湾に上陸したとき、「あ、ここだな!」と。これが台湾訪問をリピートしている理由で、10度訪れても毎回新しい発見がある、変化も感じられる。何度も行くべき場所と1回でいい場所も見極められる。毎回新しい国を訪れるのとは違った、新しい旅のかたちがあります。

皆さんの 台湾旅行記 大歓迎です

ぜひ皆さんも自分が感じる台湾の魅力について、台湾通でブログ投稿してみてください。皆さんの「台湾の物語」を楽しみにお待ちしています!

「台湾通」で、台湾の思い出を共有しませんか

2020年はコロナ禍で海外旅行に行けませんでしたが、台湾の方はその分、国内旅行を楽しまれたようですね。台湾国内旅行で人気のあったトップ10の行き先は、以下のとおりです(出所:Business Next「2020年台灣熱門旅遊城市出爐,花東奪冠,台南只排第10!國旅機票怎麼買最划算?」2020年12月18日)

《2020年最受台灣旅客喜愛的十大國旅城市》

  1. 台東
  2. 花蓮
  3. 屏東
  4. 南投
  5. 宜蘭
  6. 嘉義
  7. 基隆
  8. 苗栗
  9. 新竹
  10. 台南

 

 

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