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【 台北大縱走 / Taipei Grand Trail / 南港山 / 拇指山 / 象山 / 台湾ハイキング 】
(日本語翻訳=Hiroyuki Shima)
目次
台北大縱走
台北大縱走(The Taipei Grand Trail)は台北市政府と健行筆記(Hiking Biji)が設定した八本のルートを連ねたハイキングコースです。これは五つの山系(大屯山、七星山、五指山、南港山、二格山)にまたがり、台北盆地を囲んで美しいパノラマを望むことができます。ハイキングルートは92km、北はMRT關渡駅から始まり、南は貓空後山に至ります。川岸のサイクリングルートは38km、海抜高低差は1120mになります。それぞれのコースの登山口までMRTまたはバスなどの公共交通手段で行くことができます。市民に親しみやすい、軽装備ですぐに出発できるコースです。
南港山 縱走親山步道
今回選んだのは、中華科技大学から出発する六段目のコースです。途中は石畳になっており、四獸山步道、九五峰、拇指山を経由し,象山自然步道に至ります。約四時間をかけて半日のハイキングを楽しみました。もし簡単な食事を準備できれば、終点のMRT麟光駅まで11kmのコースを走破することができます。
足元の石畳にも特別な意味があります。写真は台湾にのみ生息する五色鳥です。ほかにもハイキングの最中で、大冠鷲(カンムリワシ)、五節芒(ススキ)、螢火蟲(ホタル)、雀榕(アコウの木)、筆筒樹(ヒカゲヘゴ)、山櫻花(カンヒザクラ)、相思樹(ソウシジュ)などが石畳に記されており、非常に興趣をそそられます。晴れわたった青空に101ビルが屹立し、樹木による陰影と混じりあう風景は、非常に見晴らしがよく、遠くには観音山も望むことができ、様々な景観を楽しむことができます。
九五峰
一時間半ほど歩いた後、標高375Mの尾根の最高点にたどり着きました。ここは、このルートそして南港山の三角点になります。場所はちょうど信義、南港、大安区の境界にあたります。伝えられる話では、昔95歲の高齢者がここに登頂したそうで、それにちなんでこの名前がつけられています。山頂は風が強く、肌寒く感じられます。少し休憩をとって、ウインドブレーカーを着てから再出発しました。
秘密の步道
石畳を登り降りした後、比較的平坦なハイキングルートに出ました。山登りの仲間が拇指山山頂を抜けていけば近道になると教えてくれたので、そのルートを歩くことにしました。500mというのは短いようですが、岩壁が急なためロープを使ってよじ登らなくてはなりません。手も足も使って、重心を低めにし、一気に登り切りました。頂上では素晴らしいパノラマを望むことができました。
拇指山頂の尾根ルート
この山は、形が拇指(親指)の様に見えるので拇指山と名付けられています。九五峰と比べると視野が開けており、山頂から360度の眺望を楽しむことができます。單面山の急斜面は、登るのは比較的簡単ですが降りるのは大変です。後ろ向きになってロープをつかみながら注意深く降りました。
ルートマップ
木製の標識に掲示してある地図を確認してみました。すると六段目のルートの中ほど50%のところまで来ていることが分かります。それぞれの分岐ルートを探索しても面白そうです。昼夜、時に応じて変化する山の風景を楽しむことができます。
オリエンテーションの表示
親山步道のサイン表示の他、交差点では立体的にそれぞれのルートが明示されています。分岐的が非常に分かりやすくなっており、ここでひと休み、そしてあらためてゆっくりと旅程を進めることができます。
山道を歩く
時々現れる土のままの小道は、石畳と比べて比較的平坦で歩きやすいです。足元の木の根に気を付けて歩いていくと、晴れわたった天気と緑陰のなか、涼やかなハイキングの雰囲気を醸し出します。皆で楽しくおしゃべりをしながら進みました。
象山自然步道
四獣山(獅山、豹山、虎山)の一つ象山は、長く続いて台北盆地に消えていく山の形が象の鼻のようであることから名付けられています。ふと見ると鉄の手すりにも気の利いたデザインがされています。まるで象と一緒にハイキングを楽しんでいるかのようです。六巨岩もハイキング客がスタンプを押すポイントです。大晦日には年越しの花火を見る人気のスポットになります。
ノルウェイの探検家 アーリング・カッゲ(Erling Kagge) 曰く、「歩くことは一生続く事業です。どちらの方向に歩いても構いませんが、最後は元の場所に戻ってきます」
コロナが発生して以来、百岳、小百岳、百名山、百步道など大小さまざまな郊外のハイキングルートや登山活動の人気が出ています。それぞれの人たちが当日の体調や心境によって、ハイキングルートを選び、大自然との対話を楽しんでいます。それは単に山を登るだけではなく、その時の光と影の交錯、そよ風の感覚を味わうという行為です。日常の忙しさの中で閉ざされてしまっている感覚を、ほこりの中から日の光のもとに取り出し、浄化された自分を取り戻します。ハイキングは一生楽しめる行為です。肉体の感覚を主に、心に残る印象を従として、目の前の風景は時の流れに従ってセピア色に変わり、記憶の中に刻まれていきます。
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