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【 台湾 スイーツ 】フランス菓子界 台北 お店巡りガイド

台湾 スイーツ

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【 台湾 スイーツ / フレンチ スイーツ / フランス菓子 / 法式甜點學 / 台湾デザート

(日本語翻訳=GA)

フランス菓子の究極の美学を語る

長い歴史の中で精密な美を表現してきたフランス菓子。その美学は、まるで公用語のように世界のかけ橋となっています。台湾・日本・フランスでは食へのこだわりが食文化を形成してきました。中でもスイーツは食後のくつろぎにも、それ単独でも楽しめる存在です。旬の食材、味のバランス、五感の共鳴という点において深みのある味の変化を大切にするスイーツは、まるで変化する香水の香りのように、一品一品が、断面毎・一口毎に無限の味わいを醸し出してくれます。台湾におけるフランス菓子は、地元の素材と結びつき、シェフパティシエ達の人生の歩みや哲学に新たな解釈を与えてその足跡を広げながら、様々な食感の交じり合う世界へと食べる人を導いています。

フランスの名門料理学校エコール・グレゴワール・フェランディ(L’ecole Gregoire Ferrandi)の影響は台北各地のスイーツ店に広く浸透し、それはまるで堅固な建築構造のように、台湾の地元食材とコラボしたフレンチスタイルを確立し、精緻で繊細な中にも台湾独特の趣を残しています。

Yu Chocolatier 畬室法式巧克甜点創作[ バニラミルフィーユ (香草千層派)]

(中国語での店名の意味:畬ルーム・フレンチチョコスイーツ・クリエイション)

注文を受けてから作られる毎日数量限定のバニラミルフィーユは、極薄の皿の上に置かれ、ゲランドの塩がトッピングされたサクサクのパイ生地に、バルサミコ酢が添えられています。舌先でクリームとバニラの香りの層が調和して、ふんわりと幸せな味があふれ出ます。

時季により色々な味の限定商品が販売され、組み合わせも少しずつ変更されます。チョコレートミルフィーユは、主役のカカオが存在感を放ち、パイの塩味やサクサク感を抑えています。チョコミルククリームのシルクのような食感によって、シェフパティシエのチョコレートに対する深い理解や手仕事を感じさせる定番のミルフィーユです。

所在地:台北市大安区仁愛路四段112巷3弄10号

Jouons Ensemble Pâtisserie 稲町森法式甜点舖[ 空いっぱいの🌟星 ]

(中国語での店名の意味:稲町森フランス菓子店)※訳注:稲町森は台湾語の「一緒に遊ぼ」という意味の音をあらわしているそうです

< オレンジの花/ヘーゼルナッツ/キャラメル/チョコ> 金箔がトッピングされたヘーゼルナッツを持ち上げて、チョコレートのコーティングをそっと切ると、中には、オレンジフラワーにヘーゼルナッツとキャラメルとチョコレートが交じり合った豊かな味が隠されています。以前の定番商品はシンプルな味わいでしたが、それと比べると、この商品は複雑さなど色々な要素が加わり、チョコレートとの相乗効果で、別レベルのバランスを追及しています。

所在地:新北市板橋区貴興路86号

Escape from Paris 芙芙法式甜点[左:ガイア /中: Dancing Petals /右: Un petit café ]

(中国語での店名の意味:芙芙フランス菓子)

●ガイアGaia < マドング・スモーク・チョコムース/マドング・ガナッシュ/カカオケーキ/ブラックチョコクッキー > ギリシア神話の大地の母にインスピレーションを得たこのケーキは、生命を象徴しており、カカオパウダーで覆われた霧のような表面には、樹皮の紋様が刻まれています。カカオ本来の生命力やシェフパティシエのコンセプトが内側から溢れ出ており、伐採された木のイメージが環境保護のメッセージを伝えています。

●Dancing Petals < ジャスミン・ムース/グアバジャム/ジャスミン茶ミルククリーム/アーモンドケーキ/ジャスミンクッキー > フランス菓子としての完成度が非常に高く、ベルベットのような質感の外側の中には、どのような味が入っているのか想像がつきません。花びらの上の水滴と真珠の飾りに目を移すと、この作品が花の香りを基調としていることが、静かに伝わってきます。上品なデザインと爽やかな味わい、そこに加えて漂う果実と花の香りが、食べる人を笑顔にしてくれます。

●Un petit cafe < 濃厚コーヒームース/コーヒーソース/コーヒーブリュレクリーム/濃縮コーヒー味/コーヒーケーキ/ココアタルト/ブラックチョコクッキー > このスイーツはコーヒーを再構築したような作品で、コーヒーの外観を模しています。チョコレートでできたスプーンが添えられ、上には本物そっくりのミルクの泡が乗っていて、まるでパリのバリスタが入れたコーヒーを再現したよう。フランスの風情を存分に味わうことができます。

(大直剣南店)所在地:台北市中山区北安路813-2号
(内科二楼店)所在地:台北市内湖区内湖路一段388号2楼

Quelques Pâtisseries 某某。甜点 [ピーチ・サントノレ]

(中国語での店名の意味:某某。スイーツ)

このお店の自慢は定番のケーキと、季節ごとに販売される様々な味の商品です。抹茶、柚子、ピーチ等色々なソースや、クチナシの花や花蓮蜜香紅茶や烏龍茶の風味のシャンティイ・クリームなど、熟練した技術と味わいは、シェフパティシエのデザインや味に対する独自の考え方が表れています。フランスのスイーツ専門誌「FOU DE PASISSERIE」にも掲載される確かな実力です。この文章の最初に掲載している写真は、期間限定品です。ピーチ・シャンティイとピーチジャムにシソの香りを加えており、香ばしいミルフィーユのパリパリした食感が同時に口の中に広がると、フルーツとシソとカラメルの三つの香りが絶妙な割合で調和して交じり合います。作り手と客のコミュニケーションが促されるような感覚を味わえるスイーツです。

所在地:台北市大安区安和路一段102巷23号

 

『フランス菓子学~コンセプトから鑑賞まで、技から名パティシエまで、フランス菓子道がわかる専門家養成ガイド~』

(※訳者注:書籍名は翻訳したものであり、正式な日本語書名ではありません。)

この本の著者Ying氏のことは、台湾でフランス書籍を扱う書店「信鴿法国書店」が開催したセミナー「スイーツの流行とメディアのトレンド~スイーツ業界の黄金時代」で知りました。彼女は私にとって、フランス菓子への道を開いてくれた師匠と言っても過言ではありません。彼女はこの本で、菓子を作る厨房と消費者の間に架け橋を築き、客とパティシエとの対話は単に「美味しい」という言葉で終わらないことを教えてくれました。様々なスイーツのデザインの分析や鑑賞方法、自分の好みに合うかどうか、口の中に残る記憶のポイントを深く考察するとともに、フランスの伝統的なデザインとの違いなど、奥深いフランス菓子の秘密を少しずつ解き明かし、読者を理解に導いてくれます。この本を読み終え、スイーツの概念、意義、鑑賞方法を整理した後、私はスイーツ業界やパティシエへの直接インタビューやスイーツ店巡りをすることになり、新たな境地に目覚めました。

フランス菓子学

👉博客来:法式甜點學(フランス菓子学)
👉Facebook:Ying C. 一匙のスイーツでパリをすくう

 

 

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コメント

  1. EthnoLab EthnoLab

    ご紹介いただいた『法式甜點學』の著者 Ying C.さんが新しい本を出されたそうですね。>『法式甜點裡的台灣』
    インタビュー記事:遇見甜點一切歸零開始,旅法作家陳穎Ying C.:要相信自己有克服困難的能力,跨越過才能避免傷心的回憶 https://500times.udn.com/wtimes/story/120841/5876932

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