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【高雄 レストラン】歴史の変動を見てきた酸菜白肉鍋レストラン「京華餐廳」

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京華餐廳

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高雄 レストラン / 酸菜白肉鍋 / 高雄 火鍋 / 京華 餐廳

(日本語翻訳=あや、Kotaro)

台湾人は本当に 火鍋 (鍋料理)が好きです 。

季節や気候に関わらず、祝祭日あるいは普通の日でも、家族や友人の会食あるいは個人の場合でも、火鍋を楽しみます。
金属や石から造られた口の広い鍋に、シーフード、お肉、野菜そしてさまざまな具をたっぷり入れて、ぐつぐつと沸き立っている様子が、食卓の賑やかな雰囲気をもたらします。

80年代の石鍋から、90年代の台湾風個人鍋、羊肉爐(ラム鍋)、薑母鴨(生姜鴨鍋)、そして近年の四川マーラー鍋など、社会の変遷が食生活にも影響を及ぼしてきました。「火鍋(鍋料理)」は、台湾の単なる定番料理から食文化へとその地位は高まっているのです。スープの作成方法、食材の組み合わせ、ソースの相性やつけ方など、どれもこれも深みがあって、多くの選択肢があります。

1949年の後,中国内戦の混乱により、中国の各省からたくさんの人々が地理的に近い台湾へ押し寄せてきました。そして60〜70年代に台湾の家庭料理、屋台料理、レストランに、次第に中国各地の料理スタイルが現れました。

酸菜 白肉鍋 はこんな時代背景に由来しています。

酸菜(野菜の塩漬け)は、卦菜や芥菜(からし菜)などを塩でつけたもので、天然発酵保存食材です。
酸菜白肉鍋に使われる酸菜はからし菜ではなく、冬に多く収穫される白菜で、独自の調理法(通常は果物)で発酵させます。肉を薄く切って透明のようになった豚肉を、長い煙突のある銅鍋に入れて、焼いた炭で茹で、胡麻ダレと酢につけて食べます。これは中国東北地方の特色がある鍋料理です。

京華餐廳

銅鍋サイズは大中小の三種類があり、来客人数によって、サイズが異なります。

京華餐廳

肉を薄く切り、透明のようになった豚肉。

京華餐廳

ソースの種類が多くて、なかなか決められません。 最初の一回目は胡麻ダレをベースに、酢と醤油、パセリを少々加えるのをお薦めします。 二回目は、ラー油、腐乳ソース(豆腐を発酵させて作った食品)、ニラソースをつけてみましょう。

京華餐廳

川丸子(四川つみれ)。定番メニュー。鍋に入れて茹でると美味しくなりますよ。

 

高雄では、酸菜白肉鍋 といえば、3〜4軒のお店がよく知られています。
今日ご紹介したいのは 鹽埕区 大勇路 にある「 京華 」です。

京華餐廳

京華餐廳

鹽埕区は50年代から80年代にかけて、高雄で一番賑やかだった行政区です。
ここは哈瑪星(旧称:浜線)に隣接して、商業貿易や解体船業もかつては発展していました。
この地域の住民の多くは、三階の一戸建てに住む高所得者です。

高雄で最初の百貨店、米軍駐在区を背景とした洋書書店、アメリカ式のバーやカフェ、西洋レストラン、布店、靴の店などがあり、さらに外国からの舶来品を扱う専門店通り「堀江」も、この地域に集中していました。
ここは、モダンの代名詞で、異国情緒の雰囲気があふれていました。休日になると、どこも多くの人で溢れ、たいへん賑やかでした。
子供の頃、親から鹽埕区に連れていくと言われたら、みんな大興奮していました。

中正路に沿って愛河を渡るとロータリー交差点が見えます。前方に「寶島鐘錶店」(時計店)の灯火が見えると、もう鹽埕区に入るとワクワクしたものです。

京華 餐廳 」はこの場所で開業しました。

1980〜1982年、私が小学生の時、父は一回か二回、私たち家族をこのレストランに連れて行ってくれたことがあります。
それは当時、銀樓街という新楽街にありました。

最初のお店は余り大きくなかった覚えがあります。曖昧な記憶を辿って、強く印象に残っているのは:
もくもくと煙を出している煙突銅鍋、店内に「 京華餐廳 」と書かれた四文字の大きな看板、そして熱くて柔らかい拔絲地瓜(台湾風の大学芋)。拔絲地瓜という名前は最近ようやく知ったのですが。

京華餐廳

京華餐廳

拔絲地瓜。 サツマイモの切り身を揚げてから外層には麦芽糖(マルトース)や胡麻を付けたスイーツの一種。 熱々でいい香り。サクサク食感で、人気のある料理です。

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牛肉捲餅(牛肉ロール)

京華餐廳

捲餅(牛肉ロール)という食べ物は薄い生地で、中には牛肉、長ネギ、甜麵醬(甘味噌と似たもの)、キュウリを包んだ料理。黄金色に焼きあげています。人が多い場合は、牛肉ロールを一つ注文してシェアしてはいかがですか。

 

90年代に、鹽埕区はだんだん衰えてきて、「 京華餐廳 」が現在地に移転したことに気付いたのはかなり後になってからのことでした。ここ数年にわたって京華は事業改革や三年間の休業などを経て、2019年3月に二代目が後を継ぎ、初代の料理とその姿を再現して改装オープンしました。嬉しいことですね!

京華餐廳

鍋の注文方法。

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単品のメニュー。

京華餐廳

茹でれば茹でるほど美味しくなりますと店主は言っていました。

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酸白菜鍋湯(白菜漬け鍋スープ)。酸白菜(白菜の塩漬け)は発酵した食品で、消化を助けます。夏に飲むと、疲れが取れます。

 

家族で飲食店を経営していると、時の流れの変化や考えの食い違いもあって、伝承することは容易ではありません。
インターネットが発達した今では、変わらない信念と価値観を守りながらも、斬新さを取り込んでいく必要もあります。「京華餐廳」の客の一人として、この70年近くの変化を見てきて、新規改装オープンは感無量でもあり、暖かい希望でもありました。

 

京華 餐廳

平津涮羊肉(平津ラムしゃぶしゃぶ)。酸菜白肉鍋(白菜塩漬けと豚肉鍋)。碳燒羊肉爐(炭焼きラム)。

住所:高雄市鹽埕区大勇路76巷8号

 

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