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【 満月圓国家森林遊楽区 / 満月圓 滝 / 新北市 三峽 / 台湾 絶景 / 秘境 】
(日本語翻訳=Ruri)
人が生きるのは「生きたい」人生でも、「生きたくない」人生でもない。「生きられる」人生である。ー 畢飛宇(ビー・フェイユイ)
ここ数年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で人と集まることが少なくなりました。その一方で、自分と向き合い、心を鎮める時間が増え、のんびりと山の木々と会話を楽しめるようにもなりました。
この日の朝、私はとても早く起きました。天気の良い日です。遠出せず、近郊をぶらりと歩いてみるのも悪くありません。
足を運んだのは、新北市三峽区にある満月圓国家森林遊楽区。その名前には由来があります。このエリアから遠くに望む満月圓山は、侵食・風化、土石流などの地質営力の影響を受けて丸く形成され、ドーム型となりました。「満月圓」には、遠く離れた家族との再開を願う森林の管理者たちの想いが込められているのです。
大豹渓の上流、及び蚋子渓の支流に位置するこのエリアには、蝶類やシダ植物など多くの生物が生息していて、家族みんなで楽しめる散策コースとなっています。
蚋仔渓生態歩道を通り抜けると、改良された舟通し型魚道が視界に入ります。ハイキングコースから入り、セルフコースを進むと一周約3時間。その道のりでしばしば見かける休憩所に、つい気を取られてしまいます。やれパイナップルのチップスだ、やれエメラルドグリーンの王冠だ、はたまたオオタ二ワタリの帽子?などという具合に。
立ち止まって自然が織りなすアートを眺めていると、あずまやを取り囲むイキイキとした緑がまるで、不安定な私の心を優しくなだめてくれているような気分になります。
処女の滝
息を切らしながら階段を駆け上がっていくと、三段になり高さのある「処女の滝」に到着です。ここは、園内でも特に私のお気に入りスポット。この形成の歴史はさほど長くありません。他の滝とは異なり、岩盤が侵食されず、水の落下点に滝壺ができなかったとして広く知られるようになりました。時折、虹が交互に輝いて映ることから「虹紗の滝」という異名を持ちます。艶かしいベールのようなミストを放ち、「空気のビタミン」とも呼ばれるマイナスイオンを微かに漂わせます。滝の上のあずまやで新聞を読んで過ごすのは、一人静かな時間でした。反対側で休憩していた山仲間が席を立ち、こっちにおいでと手を振ります。「こっちから撮影した方が近いし、もっと綺麗だよ。この角に立って。私が写真を撮ってあげる。」これも、愛くるしい台湾の日常のワンシーンです。
満月圓の滝
名残惜しくも歩き出し、観瀑亭に登って、満月圓の滝を見下ろします。目立たず上品な処女の滝とは異なり、水が勢いよくザーザーと流れ落ちています。長い間蓄積されてきた水が放出されているよう。ぽっかりと空いた心の欠片が水の流れにさらわれ、フィトンチッドとマイナスイオンをいっぱい帯びて戻ってきました。
セルフコース
2つの滝を見学した後、東眼山の登山口を過ぎたあたりで、上級者レベルの東満コースがここに通じていたことに、私はようやく気がつきました。小さな橋を渡り、渓流をさらさらと流れゆく水を横目に、林道の帰路につきます。
天然の広葉樹林は、主に、スギやシダ植物などの人工林と交錯しています。セルフコースを静かにのんびり歩いていると、山や川、滝の集大成を見せつけられます。生い茂る木々、軽やかに流れる水、勢いよく滑り落ちる滝… よい時節に出会った美しい景色に、私は大満足でした。
平日と休日を繰り返すだけのつまらない日々のなかにも、意識的に理想的な生活を形作ることができます。秩序ある日々、規則正しく、メリハリある仕事と休みのバランス。無理に成果を残そうとせず、冷静に、常に泰然と構えるのです。そうすれば自ずと、心の持ち方次第で良い生活が送れるようになりますよ。
満月圓国家森林遊楽区
ウェブサイト: https://recreation.forest.gov.tw/Forest/RA?typ_id=0200001
お知らせ:
落石防止工事の施工に伴い、2023年2月20日(月)から3月31日まで満月圓国家森林遊楽区、処女の滝遊歩道が一時的に立ち入り禁止となります。なお、同エリア内の満月圓の滝は通常通り営業。その後、同年4月1日から5月20日まで滝のメンテナンスが予定されています。期間中は区画を分けて施工されますので、処女の滝は見学が可能です。
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