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台湾における湄洲媽祖の元祖廟~ 北港朝天宮

北港媽祖 朝天宮神像

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【 北港媽祖 / 北港朝天宮 / 雲林 北港 / 媽祖廟 / 湄洲媽祖 / 媽祖景観公園 】

(日本語翻訳=Aya、日本語訳文指導=長谷川忍)

【北港朝天宮の神様について】

北港朝天宮については数えきれないほどたくさんの情報があります。今回は信仰の視点から、簡単に北港朝天宮で祀っている神々、特に 北港媽祖 について紹介させていただきたいと思います。

北港朝天宮の起源は1694年(清.康熙33年)に、樹璧和尚(臨済正宗34代目)が福建省湄洲朝天閣から媽祖金身を謹んで奉迎して、台湾の笨港(現.雲林北港鎮と嘉義新港郷南港村あたり)に上陸し、現場で廟を創建したことです。その後、弟子を募り、仏法を世にひろめました。当時の廟名は天妃廟あるいは天后宮と呼ばれていました。1812年(清.嘉慶17年)に、湄洲祖廟「朝天閣」からの分霊を奉迎したことを記念するため、住職僧浣衷は宮名を「朝天宮」と変えました。廟が建てられてから 北港媽祖 の神霊力がよく知れ渡り、政治家も有名人も参拝に訪れます。北港朝天宮はいつも参拝者が多いのです。日本時代1913年(大正3年)に第5任台湾総督であり、同時に史上初総督の身分として北港朝天宮を参拝した佐久間左馬太が「享於克誠」と記された扁額を奉献し、1930年(昭和5年)第13任台灣總督石塚英蔵が「神恩浩蕩」と記された扁額を奉献しました。

北港朝天宮は全国約300宇の媽祖廟の祖廟のため、一年中各地のお寺や廟からの巡礼者や信者たちの参拝が絶えず、雲林北港という素朴な町は宗教の雰囲気で彩っています。

北港朝天宮の外観

【本殿主神である媽祖と共に祀られている神は中壇元帥と虎爺。その左右には神将千里眼と順風耳が祀られている】

主神媽祖
宗教として媽祖を信じる主な地域は中国東南沿岸及び台湾、琉球(現.沖縄)、日本九州やシンガポールなど東シナ海と南シナ海の海域に存在します。林は媽祖の本姓。その女性は福建省興化軍莆田縣(現.福建莆田)の出身だそうです。家の末っ子でしたが、とても賢く心根が善良で、ふだんはあまりしゃべらない性格であったらしく、苗字は「默」(通称林默あるいは林默娘)と呼ばれていました。生涯をかけて道を極める修行行い結婚はせず、他の生命に対して楽を与え、苦を取り除くことを生業としていました。彼女の昇天後、悪天候の時よくその姿が現れ、無事なる船の進行を見守り続けています。漁師たちは林氏のことを信頼して、「護國庇民」の航海の女神と呼んでいます。

千里眼、順風耳両神将
元々は金妖怪、水妖怪であった千里眼と順風耳。伝説によると、この二神将は、昔悪さばかりして人びとを困らせていましたが、媽祖からの慈悲の心に感動し、自分達が悪かったことを悟ってから媽姐を従うようになりました。現在は千里眼は青面青服と順風耳は赤面赤服、両神将とも媽祖の配神として祀られます。

中壇元帥
托塔天王李靖(毘沙門天)の三男として生まれたこともあり、信徒たちから哪吒太子、三太子、太子爺、太子元帥、中壇元帥などいくつもの尊称で呼ばれています。

虎爺
虎のイメージとしての神。古来から人々の間では、金招きの黃虎爺、災厄除けの黑虎爺と呼ばれてきました。本来は神様の神明が乗り移動する為の動物で、廟境や村を守る役割もあります。普段、神棚の下や主神の神卓の下に祀られている虎爺は、生卵や生肉をお供え物として献上されます。

北港朝天宮内景色

【観音殿:主神観音菩薩、配神十八羅漢。左側は三官殿、三官大帝が祀られています。配祀月老星君】

観音菩薩
観音菩薩は大慈大悲救苦救難の神通力を持つ存在として有名で、仏教徒にとって最も親しみのある、身近な菩薩です。

十八羅漢
十八尊者とも呼ばれています。仏教では、釈迦仏門下の仏道を修行して悟りを開いた弟子たち。

三官大帝
道教では天界(天府)、地界(地府)、水界(水府)を司る神。

月老星君
愛の神様。運命の結婚相手と結びつけるのが月老星君の役目です。

孝子釘
北港朝天宮の観音殿の前に、孝子釘の記念板があります。それは清.道光帝の時、親に孝行な蕭氏が両親を探すことを指します。当時、蕭氏は神霊力で有名な朝天宮に来て、媽祖に離れ離れの両親を無事に見つけるようお祈りしました。その過程で、観音殿の階段に釘が発見していたら、媽祖に「もし、順調に家族が再会することができるなら、この釘は花崗岩造の階段に叩き込むことができます」とお願いしました。暫くしてから、やっと蕭氏が無事に両親と再会しました。

北港朝天宮中庭

【文昌殿では文昌帝君、大魁夫子、朱衣星君、文衡聖帝、孚佑帝君など五名の文昌神が祀られています】

文昌殿
殿名の通りに、ここに祀られるのは学業成就のご利益がある学問の神様。文昌殿の左側には学業成就、合格祈願の板をかける壁があります。受験生や学生たちは自分の願いごとを板に書き込んで、文昌帝君にお祈りすることが、謹んで勉強する、自分への励ましとなって、いつか功成の道に辿り着くでしょう。

文昌殿

【光明殿、十二支星君図】

光明殿では三宝佛:釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来が祀られています。
殿外の壁には十二支星君図を描いてあります。左右各六柱で、それぞれ代表の干支の微妙な表情は被る頭飾りと同工異曲の趣があります。

光明殿

【福德殿(雙公殿)土地公と境主公を祀られています。殿前にある大元宝(馬蹄銀のこと)を三回時計回りに触ったら金運と福を招きます】

土地公
以前から、土地公は地方の神様であり、時の流れにより、土地公は豊かさの神として福運、豊作から金運や商売繁栄として祈られています。毎月旧暦の二日と十六日に土地公に参拝したり、お店の前にお供え物を献上したりする光景が見られます。

境主公
廟境の守り神。

北港朝天宮の見取り図

【聖父母殿、註生娘娘殿、開山庁】

聖父母殿では媽祖の林氏両親と兄弟を祀っています。父.積慶衍澤公、母.積慶夫人、兄.靈應仙官、姉.慈惠夫人。

註生娘娘殿では主神註生娘娘、配祀婆姐。
註生娘娘は女性妊娠、出産を司る神。不妊症や妊娠に悩む女子にとって、心安らかになる神様なのです。
婆姐は註生娘娘をサポートして、産婦人を無事に出産させたり、子供の安全を守ったりする神様。

後殿の左の部屋は開山庁、朝天宮歴代の住職と樹璧和尚門下の僧侶たちの位牌を祀っています。

香火袋(お守り)

【北港朝天宮お守り】

お守りを受け取る前に、賽銭箱に気持ちによって寄付金を入れましょう。それから、落ち着いて、参拝者個人の情報と願いごとを神聖な神々に報告します。祈ったあとで、お守りを持って香炉の上で三回時計回りに回した後、身に付けることができます。

媽祖景観公園

【媽祖景観公園】

北港朝天宮の左後方には媽祖文化大楼という四階建ての建物があります。屋上には広場があり、左側は釈迦仏、右側は観音菩薩、広場の真ん中には高さ15メートルの媽祖石像が置いてあります。延々と繋がった回廊、亭などを組み合わた庭園造景を見ると、心が落ち着く秘境でしょう。 
広場から北港朝天宮を眺め、建物の美しさに感動して、当時の建築工法を生かした師匠たちの工夫に感服を禁じ得ません。

参考資料:
https://zh.wikipedia.org/wiki/北港朝天宮
http://www.matsu.org.tw/
書名:【祈求平安 北港進香~往返台灣人心靈原鄉的宗教旅程】作者:林承緯、黃偉強 

北港朝天宮
住所:651雲林県北港鎮中山路178号
開門時間:旧暦一日から媽祖の誕生日旧暦3月23日にかけて、24時間参拝可能。
上記以外の日は04:30-05:00開門、夜0:00閉門
電話:05-7832055

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